nakamurakunio.com

新聞連載「教室も空を飛ぶ」へ戻る



 「教室も空を飛ぶ」の18回「少年」は、詩誌『立』の最新号(14号)に
発表した詩「駅にて」が流入している。これは自作の使い回しといった
消極的な意味によるものではなく、ある日の小さな出来事から古い記
憶をたどるうちに羞恥に似た感情の発作が起こって、作者も意表を衝
かれる感じで、この連載にまぎれこんできたのだった。私は今だにこの
「志村」という文学教師の正体を掴み切っていないが、いったいなぜこ
の男は「中村邦生」のエピソードを収奪しようとするのか、そろそろ考え
なければならないと思っている。